漏電は火災の原因になる!?その理由と防止する方法を解説します
「漏電」と聞くと、みなさんはどのようなことを思い浮かべますか?
漏電が発生すると、不必要な電気が漏れ続け、「電気代が高くなる」ことや、漏電している電気製品に触れてしまうことで「感電」の危険性もあります。
それらに加えて注意しなければならないことに漏電による「火災」があります。
火災が起きてしまえば、住宅に大きな損傷が与えられるほか、人の命にもかかわる大事故につながりかねません。
そのような恐ろしい「漏電火災」を防ぐためにも、漏電のしくみや、予防策を学んで、日頃から対策しましょう。
目次
漏電とは?
まずは漏電についてご説明します。
漏電とは、本来電気ケーブルや電線の中を流れるべき電気が、配線ルートをはずれて漏れ出してしまうことをいいます。
通常、電気ケーブルや電線は「絶縁体」という電気を通しにくいゴムなどでおおわれており、電気が漏れ出さないようにしてあります。
これが、劣化や破損などの原因により傷ついてしまうことで、電気が漏れ出すことがあるのです。
電気は目には見えないため、漏電している電気製品に気がつかず、誤って触れてしまった場合には感電などの恐れがあることから、身近に潜む事故原因の一つでもあります。
そのため、漏電の修理をするには電気工事士という資格が必要ですので、修理は必ず専門業社に依頼してください。
目に見えない現象であれば、対策のしようがないと思われるかもしれませんが、漏電の発生に気づくためのポイントもありますので後ほどご紹介します。
漏電による火災の原因
漏電とは、電気が漏れ出してしまう現象とお伝えしましたが、ではなぜ漏電で火災が起こるのでしょうか。
漏電火災の原因は主に2つあります。
1.放電による火花からの火災
漏電すると漏れ出した電気の放電によってスパーク(火花)が出ることがあります。その際に近くに燃えやすいものがあれば引火し火災が起きてしまいます。
また、絶縁部分が破損していたり、絶縁部分に水分や油分、またはホコリなどが付着していると、本来電気を通しにくい物質であるゴムやプラスチックの絶縁部分の抵抗値が低下し、そこに放電による「抵抗加熱」と呼ばれる発熱が起こることで発火し火災につながります。
2.トラッキング現象による火災
「トラッキング現象」というのは、湿気を含んだちりやホコリがコンセントとプラグの間に入り込み、漏電を引き起こすことで発火を招く現象をいいます。
発火の程度が小さければコンセント部分や、プラグが焦げるくらいのことで済むかもしれませんが、気がつかずそのままにしておけば、いずれ発熱・発火の程度が進み火災を引き起こすことになりかねません。
冷蔵庫や洗濯機のような大型の家電製品の場合、手の届きにくい裏側のプラグ周辺を掃除することは少ないと思いますが、定期的に掃除しておくことでトラッキング現象の予防となります。
漏電の原因
火災の危険につながる漏電ですが、どのようなことから発生してしまうのでしょうか。
電気コードの劣化・破損
電気コードはまさに電気の通り道です。電気コードを長年使用することで劣化し漏電を引き起こす可能性があります。
古くなった電気コードがある場合は、これを機に買い替えましょう。
また、電気コードを折り曲げたり、束ねたりすることで破損してしまうこともあります。
電気製品を使わない際に、電気コードを束ねてしまいがちですが、漏電の予防対策としてやめましょう。
小さなお子様やペットがいるご家庭も注意が必要です。
電気コードは時におもちゃのように魅力的なものです。
引っ張ったり、かじったりすると破損し、結果的に漏電につながります。
また、漏電している状態で触れたり口に入れてしまうと大量の電気が体内に流れ込み、感電する恐れがあり大変危険です。
電気製品の劣化
電気コードの劣化と同じように、電気製品も長年使用していると劣化してきます。
絶縁物質も古くなり、劣化した部分から漏電を起こすこともあるので、製品の老化がみられる場合は新しいものに買い替えましょう。
雨漏り・湿気による劣化
雨漏りなどで絶縁部分がぬれてしまうと劣化してしまいます。
特に注意が必要なのは目の届きにくい天井裏などです。
湿気を含んだホコリがたまりやすい場所でもあり、定期的な掃除もなかなか難しいことから、上記で説明したトラッキング現象が起こりやすい場所といえるでしょう。
また、屋外に設置されているコンセントにも注意しましょう。
雨水が当たりやすい場所にある場合には、カバーなどで保護し漏電予防をほどこしましょう。
漏電に気づくために注意するポイント
目で見て気づくことが難しい漏電ですが、発生すると以下のようなことが起こりますので、漏電に気づくためのポイントとしてぜひ覚えておいてください。
1.漏電ブレーカー(漏電遮断機)が発動する
「ブレーカー」という言葉はよく耳にしますが、「漏電ブレーカー」をご存じの方は少ないかもしれません。
漏電ブレーカーというのは、電気回線につながっており、漏電が発生した際にそれを感知し、ブレーカーを落としてくれます。
漏電ブレーカーが発動し、家庭内の電気の流れが止まることで、私たちは漏電に気づくことができるのです。
また、雨の日に漏電ブレーカーが落ちることがあれば、屋外のコンセントが漏電している可能性が疑われます。
2.電気代が上がる
漏電は、電気を使っていない場合にも電気ルートをはずれて流れつづけます。
その分の電気にも電気代がかかってしまうため、電気代が上がってしまうのです。
「今月はなぜだかわからないが、電気代が高いな」と思ったら、漏電を疑ってみましょう。
漏電ブレーカーが備わっている住宅であれば、このような事態を防ぐことができますが、古いタイプの分電盤をお使いの場合には、漏電ブレーカーがついていないこともありますので、一度ご自宅の分電盤を確認してみることをおすすめします。
3.電気製品の故障
漏電の発生は、電気製品や家電の故障の元にもなります。
電気製品はどれも定められた電気量で使用しなければなりませんが、漏電によりそれ以上の電気が流れ込んでしまうことで、故障してしまうので漏電に気づくポイントです。
漏電火災を防ぐには?
大事故につながる可能性が高い漏電による火災を防ぐためには、予防や対策が必要不可欠です。
不安な場合は電気工事業者に点検してもらうとよいですが、日頃からご家庭でできる対策もありますので知っておきましょう。
漏電ブレーカーの取り付け、動作の確認
漏電ブレーカーを取り付けておくことで、漏電が発生した際にすぐに気づくことができるので安心です。
また、月に1度、漏電ブレーカーがきちんと動作しているかどうかの確認をすることをおすすめします。
漏電ブレーカーが取り付けられている分電盤には「テストボタン」というものがあり、それを使うことで、漏電ブレーカーの動作確認をすることが可能です。
アース線をつなぐ
アース線とは、水周りで使う電気製品に取り付けが義務付けられているコードです。
アース線には、漏電により電気製品にたまった電気を、地面に埋め込まれた金属を経由し大地に放出する働きがあります。
これにより、漏電している電気製品に誤って触ってしまい、感電するという危険も回避できます。
電気コードの保護
上記の「漏電の原因」でも紹介したように、電気コードの破損が漏電につながります。
電気コードを曲げない、束ねて使わない。
お子様やペットがむやみに触ることを避けるためにカバーをする。
などの対策をして、家族が安全に暮らせる対策をしましょう。
トラッキング現象に注意
トラッキング現象は、コンセント周辺で起こりやすいため、定期的にホコリを取り除く掃除をしましょう。
コンセントを緩んだ状態のまま使用していると、ホコリが溜まり発火しやすくなるので注意が必要です。
まとめ
漏電が起こると放電によるスパーク(火花)で火災が発生するというメカニズムがご理解いただけたでしょうか。
大切な家族や住宅を火災から守るために、日頃からできる対策を実施することで安心して生活しましょう。
漏電は目には見えず、一歩間違うと感電する恐れもありますので、漏電の疑いがある箇所には絶対に触れずに、電気工事業社に連絡し修理してもらってくださいね。
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