漏電する原因と自分で調査する方法について
私たちの生活の至る所で活躍する電気。もはや電気なしでは生活するのが難しいほどですよね。
しかし、電気は目に見えないため、しっかりと管理しておかないと感電や火災などの事故につながる可能性もある危険なものです。
普段あまり意識していない「漏電」について学ぶことで、いざという時に安全に対処できます。
ご自身のみならず、お子さまやペットなども誤って感電するなどの事故が起こらないように、漏電の原因や調査方法、そして対策もご紹介します。
漏電とは
漏電とは、電気コードなどの、電気が本来通るべきルートをはずれて漏れ出す現象のことをいいます。
通常電気コードは「絶縁体」とよばれる、ゴムなどの電気を通しにくい物質で覆われ、電気が漏れ出さないように保護されています。しかしこの絶縁体になんらかの理由で傷が付いてしまったり、劣化したりした場合に、そこから電気が漏れ出てしまうのです。
漏れ出た電気が、電化製品にたまってしまい、気がつかずに触ってしまった際に感電したり、または発熱し電気コードが焦げてしまうことや、最悪の場合には、火災につながるなどの危険性があります。
漏電を引き起こす原因とは?
漏電とは、「電気がルートをはずれて漏れ出す」ことで起こる現象とお伝えしましたが、ではどのようなことが原因で漏電が発生してしまうのでしょうか。
日常のささいなことが漏電を引き起こすきっかけになりますので、ご家庭で当てはまるものがないかどうか確認してみましょう。
電化製品の劣化
一般的に電化製品は長い年月使用することが多いかと思います。
しかし長年使用していると製品が劣化してきたり、製品と電気プラグをつなぐ電気コード部分の絶縁体が劣化してきたりします。
そのまま使い続けていると劣化部分から電気が漏れ出し、漏電につながります。
特定の電化製品には「標準使用期間」というものが設定されています。
メーカーや製品によってことなりますが、例えば、エアコンの標準使用期間は10年、洗濯機は7年といったかんじです。
寿命がすぎている、標準使用期間を超えている製品を使用されている場合には、新しいものに買い換えましょう。
電気コードの劣化、破損
電気コードをスッキリとまとめたい気持ちから、折り曲げたり、束ねて使ってしまったりしがちですが、それにより電気コードが劣化、または破損し、漏電を引き起こしてしまいます。
また、長年使用している電気コードも実は劣化や破損している可能性がありますので、古くなってきたと感じる場合は新しいものに買い替えましょう。
トラッキング現象
「トラッキング現象」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、コンセントとプラグの間に、湿気を含んだホコリがたまり、漏電を引き起こすことで発火を招く現象です。
発火が小さい場合は、コンセント部分やプラグが焦げる程度で済むこともありますが、気がつかずに放置していると、発火の程度が大きくなり、家屋の火災にまで発展する可能性がある危険な現象です。
漏電を疑うべきポイント
「漏電が起きている」ということを目で確認することは非常に難しいですが、漏電が発生した際のポイントがいくつかあります。
以下のことが起これば漏電を疑いましょう。
1.漏電ブレーカーが落ちる
ご家庭に分電盤が設置されている場合、その中のひとつに「漏電ブレーカー」というものを見つけることができます。
漏電ブレーカーとは、名前の通り、漏電が発生したときに作動するブレーカーです。
ご家庭の各部屋の配線や電気機器につながっており、漏電を感知すると全てのブレーカーを落とし、電気の流れをストップしてくれるのです。
漏電ブレーカーが作動したら、まずどこで漏電しているのかを特定し、それ以外の電気を復旧させましょう。
2.電気代が上がる
漏電していると、使っていなくても電気が常に漏れ出している状態になります。
その分にも電気代の請求がきてしまうため、いつもよりも多い電気代の請求がきてしまうのです。
このように心当たりがないほどの電気代の請求があれば、漏電を疑ってみましょう。
漏電ブレーカーが設置してある住宅であれば、このような事態を未然に防ぐことができます。
まれに旧式の分電盤をお使いの場合、漏電ブレーカーが備わっていないこともありますので、一度「分電盤に漏電ブレーカーが付いているか」を確認してみてください。
3.電化製品に触れるとピリピリとしびれる
漏電している状態の電化製品に気がつかず触れると「ピリピリ」としびれる感じがすることがあります。
これは軽度であっても感電している状態ですので、すぐに使用をやめてください。
これよりも多くの電流が体の中に流れると、強い痛みや、呼吸困難などを引き起こす可能性もありますので、注意が必要です。
4.電化製品の故障
漏電がコンセント部分で起きた場合、電化製品に定められている以上の電流が流れてしまい、製品が故障してしまうことがあります。
製品に劣化が見られないのに、故障した際には漏電を疑いましょう。
5.雨の日にブレーカーが落ちる
雨の日に、たくさん電気を使っているわけではないのに停電することがあれば、漏電ブレーカーを確認してみましょう。
屋外に設置されたコンセントなどの配線や機器が劣化していると、雨が降った際にぬれて、劣化している部分で漏電が発生することがあります。
漏電箇所は自分で調査できます
誤って触れると感電の恐れもある漏電を、安全にご自身で特定する方法があります。
漏電が発生した際には以下を参照しながら調査してみてください。
分電盤にある各ブレーカーの働きを確認しておきましょう。
アンペアブレーカー:電気会社と契約している電気量を超えて使用した際に作動します。
安全ブレーカー:各部屋に分かれている電気回路につながっているブレーカーです。
漏電ブレーカー:安全ブレーカーを通じ、漏電を感知した際に作動します。
漏電箇所の調査方法
①まず分電盤にある全てのブレーカーを「切」にする。
②アンペアブレーカーを「入」にする。
③次に漏電ブレーカーを「入」にする。
④安全ブレーカーを1つずつゆっくりと「入」にする。
⑤④の手順の際に漏電ブレーカーが作動しスイッチが「切」になった場合、その直後に「入」にした安全ブレーカーに該当する箇所が漏電していることが確認できます。
漏電箇所を特定したらすること
漏電箇所を特定したら、私たちが行うことは次の2つです。
1.漏電している箇所のアンペアブレーカーを「切」の状態にしておく。
アンペアブレーカーを「切」にしておくことで、漏電箇所に流れる電気を止めることができます。
2.専門の電気工事業者へ連絡する。
漏電修理には感電の危険性があるため、「電気工事士」の資格をもっていなければおこなえない決まりになっています。
必ず資格を持った業者へ修理の依頼をするようにしてください。
漏電の予防策をご紹介
漏電が起きると、必要以上の電気代の請求や、電化製品の故障のみならず、命の危険にもかかわるさまざまなリスクが発生します。
このような事態を未然に防ぐためも、以下の予防策を実施しましょう。
漏電ブレーカーの設置
上記でもご紹介したように、漏電ブレーカーが設置されていれば、漏電を感知した際に電気の流れを止める働きをしてくれます。
ブレーカーが落ちることで、すぐさま漏電に気づけるので安心です。
アース線の取り付け
「アース線」とは、主に水回りで電気を使う製品に対して取り付けが義務付けられている線です。
漏電が原因で電気機器内にたまった電気を、地面に埋め込まれた金属を経由することで大地に放出する働きをしてくれます。
これにより、漏電している製品に誤って触れてしまっても、感電する危険を回避できます。
電気コードの保護
電気コードを曲げたり、束ねて使用したり保管したりすることで、コードが痛んでしまい漏電につながりますので気をつけましょう。
また、子どもやペットがかじったりして遊んでいるうちに破損して、大量の電流が口から体に流れ込んでしまうこともあります。
大変危険なため、カバーなどをして対策しておきましょう。
トラッキング現象の予防
トラッキング現象はコンセント周辺で起こりやすいため、定期的に掃除しましょう。
大型家電の裏にあるプラグ周辺などはなかなかこまめに掃除するのがおっくうではありますが、大切な予防策です。
また、コンセントとプラグの間にたまった湿気を含むホコリが発火する危険があるトラッキング現象には、コンセントに緩みがなく差し込ませているかを確認することも大切です。
まとめ
漏電する原因を知ることが、感電や火災などへの予防の第一歩です。
また、漏電ブレーカーを使用することでいち早く漏電箇所を把握し、感電などの漏電事故から身を守りましょう。
分電盤の働きを理解し、使い方をきちんと知っておけばいざという時に冷静に対処できますので、一度漏電ブレーカーの場所などを確認しておくことをおすすめします。
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